都内某所の建築物PAINTING

都内某所の建築物に、周囲のビル群の中でも印象に残る“緑のアイコン”を実現するため、従来のプランター植栽に加え、新たな外装緑化手法として「苔塗料」を採用いただきました。

「苔塗料」は、コンクリートなどの基材にも土壌を必要とせず定着・生育が可能なため、高コストで維持管理の負担が大きい壁面緑化に比べ、既存躯体へ塗るだけで低コストかつ省メンテナンスな緑化を実現します。

本プロジェクトでは、ペントハウス外壁に施工し、都市の景観にやわらかな自然の表情を加えています。

KOKE NO MUSUMADEART

KOKE NO MUSUMADE（苔のむすまで）
アーティスト：外所 一石（Isseki Todokoro）

「苔のむすまで」――日本の国歌にも登場するこの言葉には、時を超えて自然と共に生きるという普遍的な願いが込められています。

アーティストの外所一石氏は、この思想を現代の造形表現として再構築。
自然を人間の“背景”ではなく“中心”として捉え、工藝とアートを融合させた作品「KOKE NO MUSUMADE」を制作されました。

本作品では、自然との共生を象徴する素材として「苔塗料」を採用いただき、時間とともに変化する“生きた表面”を表現。
従来の塗料では得られない、有機的で温かみのある質感が、作品の持つ哲学的メッセージをより深く引き立てています。

雫の森ART

雫の森（しずくのもり）
アーティスト：佐川 陸（Riku Sagawa）

天然藍を用いた独自のアート作品を制作する佐川陸氏。
藍の深みを通じて“静かな強さ”を表現するその創作過程の中で、新たな表現の可能性を求め、「苔塗料」を取り入れてくださいました。

自然由来の「藍」と「苔」は、どちらも日本の美意識に通じる“侘び寂び”の象徴。
時間とともに深みを増す素材同士の調和により、静寂の中に生命の鼓動が感じられるような作品世界が生まれました。

「苔塗料」の活用により、深く沈みゆく藍の世界に、わずかな光と息づく緑の生命が共鳴し、見る者の内面に静かな感動を呼び起こす作品として完成しています。